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生活

那須疏水とは?歴史をわかりやすく解説!

「那須疏水」という言葉を聞いたことはありますか?

「那須」はわかるけど「疏水」って何?という方も多いはず。

「疏水」とは、簡単に言うと他の水源から水を引くための用水路のことです。

そして「那須疏水」とは、栃木県北部の那須地域にある「那須野が原」に

水を供給するための用水路のことです。

また、「那須疏水」「日本三大疏水」の一つでもあります。

この記事では、「那須疏水の歴史」についてわかりやすく解説します。

合わせて「那須疏水公園」もご紹介します。

 

那須疏水の歴史

那須疏水はいつ誰が作ったの?

那須疏水が作られたのは、明治9年(1876年)に遡ります。

この頃、明治政府は那須野が原の大掛かりな開拓をすすめますが、ここで問題となったのが水について。

山から好き勝手に流れている水を、どうやって整えようか?という問題が起きました。

そこで立ち上がったのが、

・印南 丈作

・矢板 武

という二人の人物です。

印南 丈作とは?

1831年生まれ〜1888年没。

今の栃木県日光市出身。

江戸時代〜明治時代の実業家。

那須野が原開拓に尽力した人物の一人。

矢板 武とは?

1849年生まれ〜1922年没。

今の栃木県矢板市出身。

栃木県県議会議員、銀行の設立、栃木県の地元新聞である下野新聞の元会長。

那須野が原開拓に尽力した人物の一人。

 

幻の大運河「那須疏水」はどういった流れで造られたのか?

印南丈作・矢板武の二人が考えた「那須疏水」は、とても大規模なものでした。

那珂川上流から那須野が原を横切って鬼怒川につなげて、会津地方と東京を船で結んで物資の通り道を造ろうというものでした。

栃木県には海がありませんよね。

そんな土地で大規模な運河を造ろうと考えたものだから、当時の人々はかなり驚いたようです。

その後、数名の有志と一緒に自費で調査・測量を行います。

その結果、栃木県の手に負えるような規模の工事ではないことがわかり、明治政府に働きかけを行います。

当時の明治政府にいた二人、伊藤博文松方正義たまたま隣の福島に来た時に、どうにか「那須疏水」について説明しようと思考錯誤します。

結局強風から二人を人垣で囲うという状況の中、「那須疏水」開発の説明をすることに成功します。

そこでは、松方正義の反対にあい一旦は計画が頓挫します。

その後大久保利通からの流れで「那須疏水」を作ることが決まります。

まずは運河ではなく、飲用水路から作ることになり、明治15年に着工します。

しかし、資金難や水路ができても破損・修理を繰り返しなかなか完成しません。

そこで、印南丈作・矢板武の二人は明治政府への嘆願活動をし、明治18年に国の工事として「那須疏水」が造られることになります。

大分県から技術者が集まり、明治18年9月15日、たった5ヶ月で完成することになります。

その後も「那須疏水」は、この地域の発展になくてはならないものとなります。

例えば、発電や黒磯駅の蒸気機関車の給水源として使われました。

 

日本三大疏水とは?

「日本三大疏水」とは、

・琵琶湖疏水(滋賀県)

・安積疏水(福島県)

・那須疏水(栃木県)

のことです。

どれも明治時代に作られた大規模な疏水で、現在に至るまで、地域の人々の生活になくてはならないものとなっています。

 

那須野が原開拓の歴史は日本遺産に認定されています

平成30年5月24日に文化庁から「日本遺産」に正式認定されました。

昔は人が住めないほどの荒野だった那須野が原。

明治時代に「那須疎水」の運河計画を通して、長い長い開拓をすすめたストーリーは、近代化遺産の宝庫です。

この歴史は、今も那須野が原に残っている華族農場の別荘を訪ねることで感じることができます。

 

那須疏水公園で思いを馳せる

「那須疏水公園」は、観光地で賑わう那須街道の近くにあります。

住所:栃木県那須塩原市西岩崎230

駐車場:10台

トイレ:ありますが冬場は使用できないので注意

公園というか、整備されている川原という感じですが、那珂川からの旧取水施設があり、今は使用されていない取水口などレトロ感溢れる公園です。

芝生や水遊びのできる浅い川もありますので、子供と遊びつつ昔の偉人たちに思いを馳せてもいいですね。

まとめ

「那須疏水」とは、栃木県北部の那須地域にある「那須野が原」に水を供給するための用水路のことです。

印南丈作と矢板武という栃木県出身の二人の人物による、長く険しい道のりを経て、明治政府による工事の元、明治18年9月15日に完成しました。

「日本三大疏水」とは、 琵琶湖疏水(滋賀県)・安積疏水(福島県)・那須疏水(栃木県)のことで、どれも明治時代に造られ、現在までその地域で使用されている疏水です。

那須野が原開拓の歴史は、平成30年5月24日に文化庁に「日本遺産」として認定されました。

「疏水」はなかなか聞き慣れない単語ですが、その地域の人々の生活になくてはならないものなんですね。

那須を訪れた際は、「那須疏水公園」にちょっと寄り道してこの近代化遺産に触れてみるのもおもしろいですよ!

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